交通政策審議会2016年答申線を歩く

『とれいん工房 No.28 交通政策審議会2016年答申線を歩く』2016


これは冬コミの本。内容はタイトル通り、国交省交通政策審議会の2016年答申に出ている、東京近郊の鉄道新線計画をおさらいしたもの。

現在建設中の、大倉山から二俣川のJR相鉄乗り入れ線と、日吉から大倉山の東急相鉄乗り入れ線以外に具体化している鉄道の新設計画はなし。理由は採算が取れる見込みがないから。2000年答申にかかれていた未着手の新線計画が2016年にどうなっているかという表もついているが、さきの2路線以外は、東北縦貫線の東京上野間、北総線の印旛日本医大から成田空港間の延長ができただけ。東京圏の鉄道新設は基本的に終わっているという話。

あまり見込みがない新線計画がいつまでも答申に載っている理由は、一度計画を立ててしまうと、、撤回には政治的にコストがかかるから。これはしかたがない。

新線が全部ダメかといえば、そういうわけではなく、できそうなものは微妙な書き方で答申に匂わせてある。多摩都市モノレールの2区間は比較的可能性が高く、田町から羽田空港の路線、矢口渡から京急蒲田までの路線、有楽町線の住吉から豊洲の延伸、大江戸線の光が丘から大泉学園の延伸、横浜3号線のあざみ野から新百合ヶ丘の延伸は出資分担が合意されればできる可能性がある。

新線計画(地図つき)と問題点が路線ごとに書いてあり、読んでいるだけで楽しい。東京は新線計画があるだけでもうらやましい。