ひとり飲み飯 肴かな

久住昌之『ひとり飲み飯 肴かな』日本文芸社、2015


久住昌之の食エッセイ。あれだけ飲食もののマンガやエッセイが書けているのだから、これもすごい。というか、この人、どのくらい飲んでいるのか?それなりに身体には気をつけているようなことが書いてあるが、ほとんど毎日飲んでいなければ、これは書けないのでは?

家でも、店でも、とにかく飲んでいる。それも、いっしょに食べているものがことごとくうまそう。そこらへんにあるものが、なんでもおいしそうに書けるのだ。ものの観察眼の違いだろうけど、これだったら、なんでもおいしく食べられるし、なんでもおいしく飲めるだろう。

アル中ではなく、ちゃんと仕事をして、それで毎日の飲み食いがおいしくできたらそれは最高。著者は、実際にできているのだから、たいしたこと。それでいて、飲み屋の他の客のことは容赦なく観察している。こっちはかなり厳しい。