韓国人に生まれなくてよかった

武藤正敏『韓国人に生まれなくてよかった』悟空出版、2017


著者は元韓国大使。にしては、このタイトルはどうなのかと思うが、この方が売れるのだろう。内容は、韓国というよりは文在寅政権への不満。

文在寅とは、前回大統領選挙の時に接触を持っているが、北朝鮮のことしか関心がない人物と断定している。盧武鉉政権と何も変わらず、北朝鮮とどううまくやっていくかを除けば、あとは歴史問題と領土問題のことだけ。つまり標的は日本ということ。

韓国の国内問題も、俎上に上がっている。基本的に財閥社員と政府がすべてなので、それ以外の国民の不満が鬱積していて、朴槿恵のスキャンダルが引っ掻いたのはそこ。国内の不満を宥めることにだけ政権の関心が向きがちで、だいたい標的には日本がなりやすい。

この本について、著者がインタビューに応じていた記事を読んだが、さすがに韓国大使だった人が書いた本なので、韓国でも反響が大きかったようだ。韓国人でもわかってくれている人はいると言いながら、韓国語での出版は断るとのこと。嫌韓本というのとは違うが、韓国人はこれを言われたらショックだろう。