チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲 ボリソグレブスキー/N響

ベートーヴェン 「コリオラン」序曲

チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン:ニキータ・ボリソグレブスキー


高関健指揮、NHK交響楽団、さくらぴあ大ホール、2017.7.23


N響の地方公演は、今年は廿日市。本当は広島市でしてくれたほうが助かるが、福山なんかだと行くのが大変なので、それに比べればまし。うちからは30分くらいでなんとかなる。

この日の収穫は、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。このボリソグレブスキーという人、ぜんぜん知らない人。地方公演の他の日程ではレーピンが弾くことになっているし、曲目も違うので、これに合わせて来たらしい。

とにかく、うまい。最近のヴァイオリニスト、超絶技巧の人ばっかりだけど、この人もすごい。チャイコフスキーの第3楽章は、特に完璧。こんなに完成度の高い演奏はそうそう聞けない。

プログラムでも、ご本人のサイトを見ても、生年が書いてないのだが、30歳よりは年をとっているような。履歴を見ると、チャイコフスキーコンクール2位とか、いろいろ書いているので、まめにキャリアを積んでいる人。聞けてよかった。アンコールで弾いた、イザイの無伴奏ソナタ2番の4楽章も、聞いているだけですごい曲だが、これも完璧な出来。

ベートーヴェンの7番は、きちんと最後は盛り上げていたと思うが、「なんでここをわざわざ弱い音にするのか」と思うところがけっこうあって、疑問。高関健は、秋山氏の前には広響の指揮者だったのだが、昔からこういう風だったのかなあ。それでもN響に来てもらえてありがたい。東京には簡単に行けないし。