消え行く「限界大学」

小川洋ジェイク見解大学スペース私立大学定員割れの構造)
白水社、2,017


著者は高校教員を経て、大学で教職課程担当の教員をしていた人。なので、大学の募集状況についてはよく知っている人。特にやばいのは、私立大学のいわゆる体変更。ここはもはや大学としての体をなしておらず、その孫学生が集まらない。中国人留学生に頼るとか、無茶苦茶な方法やって学生を集めざるを得ない
もちろん教育も研究もまともな事は全くできていない。また経営者である自社側が全く大学経営についてよくわかっておらず、教員も、事務職員も、自分の家来だと思っているようなところ。こういうところはちょっと小さい私立大学には非常にたくさんある。

首都圏や関西圏でも、ちょっと小さい私立大学にはそういうところがいっぱいあるが、よりひどいのは地方。地方のエフランク大学は、本当にひどいところばかりで、元現実にどんどん潰れている。今日本の大学の数が、750前後あるので、3分の1位は、潰れるが潰れないかの瀬戸際にある。

文部科学省は入り口規制を止めてしまったので、こーゆー事態は不可避に起こること。大学の体質がスムーズに行われれば良いが、それでもトラブルは避けられないだろう。といっても入り口規制はもはや現実的ではないので、今のやり方でやるしかない。読んでいると、このような大学に行く学生やその親は、大学の実情全く理解しておらず、きちんと調べる気もない。ある意味自業自得だが、悲惨な結末があることだけは確か。