NPT 核のグローバル・ガバナンス
秋山信将編『NPT 核のグローバル・ガバナンス』岩波書店、2015
秋山信将の、「NPT概説本」。これはよくできている。成功の原因は、外務省でこの問題の実務をしている人(西田充、樋川和子)が執筆者に入っていること。この問題は実務をやっている人でないと、肝心なところがわからない。
編者、戸崎洋史、西田充、樋川和子の執筆部分は、非常におもしろく、ためになる。西田の「NPT再検討会議におけるグルーピング」は、不拡散問題において、各国がどういう利害で動いているのかをよく理解させてくれる。日本の新聞やテレビは、「核保有国対非核国」を馬鹿の一つ覚えのように言うだけで、これでは再検討会議にどういう力学が働いているのか、さっぱりわからなかった。これでやっとわかった。
樋川の、NPTと平和利用の部分も、非常に役に立った。これも日本の新聞では核軍縮の部分しか強調されないが、NPTにおいて、非核国が得ている最重要の部分は、「原子力の平和利用の奪い得ない権利」。ここが抜けると何もわからない。朝日のようなバカ新聞は、ここをきちんと書いていない。取材がいい加減な証拠。
戸崎の「中東の核拡散問題」は、北朝鮮にばかり目が向いている日本で、盲点になっている部分。中東には、すでに核武装したイスラエルがあり、核保有をめざすイランがあり、エジプト、トルコ、その他の国がある。ここの利害関係がわからないと、NPTの意味がわからなくなる。
逆に悲惨なのはNGO関係者、この本では川崎哲と土岐雅子。この人たち、何もわかってない。そもそも川崎哲は、核戦略も、原子力平和利用も、核軍縮交渉も何もわかっていない人であることを、この本で露呈してしまった。利害関係の部分や交渉の部分がまったくわかっておらず、上滑りな核廃絶論を適当に言っているだけ。これが日本の軍縮NGOのレベル。
土岐雅子も同レベルの人。とりあえず、核軍縮に向けてなにかやっているということしか書いていない。この人たち、本当に終わっている。勉強もあまりしてないし。専門家ではない人間に書かせるのが間違い。