戦術の本質

木元寛明『戦術の本質 戦いには不変の原理・原則がある』サイエンス・アイ新書、2017


木元氏の新著。これは、新しい米陸軍野外教令(ストライカー旅団戦闘団)の内容を解説したもの。

戦術の基本的な原則から、戦いの基盤(戦闘力、情報、兵站、衛生、人事、C4ISR)、戦いの基本的な要素(迂回、包囲、突破、浸透、行軍、遭遇戦、防御、攻者・防者の打算、後退、各個撃破、相互支援、コンバインド・アームズ)、戦いの方法(幕僚組織、部隊運用の基本手順)、戦史という順番で並んでいる。

マニュアルを要領よく解説している本で、英語を読まなくても、旅団戦闘団(4500名前後)の部隊がどのように運用されるのか、わかって便利。旅団の新しいマニュアルでも、秘密ではないのだ。歩兵の一日行軍距離とか、細かいこともわかってよかった。

マニュアル通りの行動ができることが大事。これができないと応用もできない。しかもマニュアルは具体的なものでなければならず、抽象的な原則ではダメ。米軍は、こういうことをきちんとしている軍隊。サイエンス・アイ新書は、こういうのをたくさん出してくれるといいな。