新版 北朝鮮入門

磯崎敦仁、澤田克己『新版 北朝鮮入門 金正恩体制の政治・経済・社会・国際関係』東洋経済新報社、2017


磯崎、澤田の『北朝鮮入門』の新版。2010年の第1版から7年で、新版が出たのは、金正恩体制になってからの北朝鮮の姿を説明するため。第1章が新たに書き下ろされているだけでなく、他の章も改稿されていて、ほぼ別の本が出たようなもの。

金正恩になってから、いろいろなことが変わってしまい、変わらないのは、無茶行動だということ。しかし、その行動自体も、金正恩体制になってからはさらに速度が上がり、粛清も挑発行動もお構いなしになった。

それらの理由は、結局内政が不安定だから。金正恩の権力が確立していない段階で、何でも自分の功績にして、従わない部下は粛清、アメリカには絶対に譲歩できないと思っているので、何でもあり。

専門家が2人で、誤りなくまとめているので、ありがたい本。

しかしこの本で価値があるのは、本文だけでなく、巻末の情報源リスト。本だけでなく、映画や北朝鮮関係の書店、ウェブサイト、関連年表も載っている。また、用語集もあり。だいたい、この一冊で、北朝鮮ネタに取り付く準備ができるようになっている。