不寛容の本質

西田亮介『不寛容の本質 なぜ若者を理解できないのか、なぜ年長者を許せないのか』経済界新書、2017


ネット選挙についての著者の本がおもしろかったので、読んでみたが、これはタイトルもおかしいし、内容もまとまっていない。

世代間格差の議論をしたいらしいのだが、どこで世代を区切るのか、どこに世代間のクリーヴィッジがあるのか、章ごとにバラバラなことが述べられているだけで、まとまりがない。

少年犯罪なんて、世代間格差にほとんど関係ないし、最後の章の大学論も、この本の中心的な内容には関係なく、別の本で論じるべき問題。だいたい著者は、「特定の世代の一般的な特徴」と、「その世代で特に顕著な特徴」をきちんと切り分けて論じていない。

それにデータが足りない。世代間の違いを示すデータが少なすぎる。これで世代の話をされても困る。著者は本を書きすぎなのでは?たくさん書くのはいいが、あまりに内容が薄い。