ロボットの脅威

マーティン・フォード(松本剛史訳)『ロボットの脅威 人の仕事がなくなる日』日本経済新聞社、2016


原題"Rise of the Robots"だが、これを『ロボットの脅威』としたのはうまい。でも実際にそういう内容の本。

とにかく今、人のやっている仕事をどんどん食っていくのがロボット。ハンバーガーだって、ロボットの方がひき肉から全部、効率的に作れるのだ。人間不要。これが単純労働だけでなく、あらゆる分野のパターン化された仕事を全部一掃していく。

工場、販売、事務、教育、医療など、なんでもかんでもロボットが侵入。防ぐ手段はない。あらゆる業種の仕事がロボットに持っていかれる。

しかし、そうなると、人間はどんな仕事をするのかという話。一部の超絶生産的な人以外はじゃんじゃんいらなくなる。ということは、幅の広い中産階級などというものもなくなる。商品を大量に売る相手がいなくなるのだ。

著者が提案するのはベーシック・インカム。結局、大量の人間が失業することを前提とすると、これくらいしか策はないらしい。Amazon無人店舗とか、本当におそろしい。無人店舗の方が経費がかからない分安くなれば、人間いらない。社会のうちの何%の人の仕事が残るのか、誰もわからない。