ティツィアーノとヴェネツィア派展
「ティツィアーノとヴェネツィア派」、東京都美術館、2017.3.25
とはいえ、ティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼはやはり中心で、いいものがそれなりに集められている。売り物は、ティツィアーノの「フローラ」と「ダナエ」。フローラはきれいなおねえさん。ダナエは、ダナエが黄金の雨に化したゼウスに犯されているところ。まあ、エロ画。
ミケランジェロが「ダナエ」を見て、色はいいが素描ができてないと評したというのは笑えるところ。実際にそうかどうかはともかく、ミケランジェロはティツィアーノの同時代の人だから、そうそうホメるわけにはいかなかったという話。
しかし自分としては一番すごいと思ったのは、「教皇パウルス3世」。肖像画。注文主が偉いので、というだけではないが、威厳と知性を感じさせるように描かれている。これを素描ができてないとは絶対に言えないはず。
ヴェロネーゼの「カナの婚礼」を甥が模写した絵というのがあって、構図は同じでも迫力ないことおびただしい。出口の売店に、ルーブルにある本物の複製画(小さいがちゃんと描かれている)があって、複製画の方はすごかった。甥はあまり上手ではなかったということ。
ヴェネツィア派の絵は、自分が西洋美術を見るきっかけになったものなので、いつ見てもなつかしい感じがするし、巨匠たちの絵はすごいもの。展覧会が終わる前に行けてよかった。