ブスだけどマカロン作るよ

カレー沢薫『ブスだけどマカロン作るよ』芳文社、2013


カレー沢薫の初単著。最初から一冊本ができるくらい連載を持っていたのかと思ったらそういうわけではなく、一番最初の投稿作品(2009)から、2011年の連載、2013年の連載と、いろんな作品を一冊にまとめたもの。

絵はご本人が言っているとおりヘタ。エッセイにつけているマンガは、わざとヘタにしているんだろうと思っていたら、もともとそういう絵だった。しかし、おもしろさはある。特に2011年の「カレー沢薫のなかったことにしませんか」は、著者のプライベートの切り売りなので、かえっておもしろい。著者が付き合った男は2人とか。2人目と5年間付き合って結婚したと言っているので、えらいわ。

著者は自分のことをぜんぜんモテないオタクと言っていて、それはそうらしいが、ちゃんと自分から男のところに行くので、それなりに相手は見つかっているのだ。一人目は「楽しくない」と言いながら4年も付き合ってるし。

結婚し、会社員を続けながら副業でマンガを描き、家も建てているなんて、めちゃめちゃまっとうな人。このマンガを描いている時には子供も作るつもりだったようだし。主婦なので、ちゃんとごはんも作っている。後半に載っている「ナゾ野菜」は料理マンガ。この本のタイトル「ブスだけどマカロン作るよ」が決まってから描かれているので、ちゃんとマカロンを作る話がある。

ギャグマンガやおもしろエッセイも、才能だけではなく、努力の積み重ね。立派すぎる。だんだん著者に尊敬の念しかわかなくなってきた。