ドナルドダック 総統の顔

「ドナルドダック」、「総統の顔」、アメリカ、1943

戦時アニメで一番有名なもの。これも余裕でYoutubeに落ちている。ディズニーだし、ちゃんとカラー。

出だしから、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」。ところは、「ナチランド」。ナチの宣伝音楽隊は、ゲッベルス、ヒムラー、ゲーリング、東条英機、ムッソリーニの5人。

ドナルドダックは、ナチランドの労働者で、銃剣で追い回されて軍需工場で砲弾をつくる係。コンベアーを流れてくるヒトラーの写真に敬礼させられ、働かされまくって、頭がおかしくなる。結局夢オチで、ドナルドは自由の女神像が部屋に置いてあるのを見てひと安心。

日本アニメはもちろん、ポパイよりも、アニメとしての出来はこちらの方がはるかに上。何よりいいのは音楽。ナチの宣伝マーチが音楽隊から、工場の場面までずっと流れていて、この出来がいい。映像はすべてこの音楽にあわせて出来ていて、画面と音楽のマッチングが決まっている。戦争そのものではなく、敵の悲惨な状況を笑いものにするという話だが、画面の動き、バカっぽい音楽隊、笑えるナチランドの労働者など、絵としておもしろい。

尺は7分50秒くらい。短いのでサクッと見られるし、どこにも見どころがある。やっぱりディズニーは昔からすごかった。