日本共産党をどう理解したら良いか

村岡到『日本共産党をどう理解したら良いか』ロゴス、2015


著者は、元新左翼活動家。1975年に第四インターに加入。その後第四インターの機関紙『世界革命』の編集部で働き、その後政治グループを結成、共産党批判活動を続けてきたという人物。宮本顕治から、「トロあがり」と罵倒されたというから、まあ名誉な話。

共産党批判については、さすがに一貫して共産党をウォッチしてきただけのことはあり、不破哲三がどの著作でどう言っていたか、ちゃんと昔の著作の内容を把握していて、どこで言っていることが変わっているのか、指摘しているのはさすが。これは共産党内部の人間にはほぼできず、外部のウォッチャーしかできないのだが、不破哲三くらい著作が多いと、相当な難事だろう。

著者が不破哲三に投げている5つの疑問、「敵の出方論はどうなったのか」、「組織論をなぜ説かなくなったのか」、「二段階革命論の否定と社会主義の関係は」、「自衛隊をどうするかをなぜ説明しないのか」、「『スターリン秘史』の重大な欠落」は、どれもおもしろい。共産党はこれらの説明はたぶんできないだろう。

共産党ウォッチングは、労多くして功少なしという終わりのない事業。それをやっているだけでもえらいわ。産経のような付け焼き刃とは違うということ。