日本の戦車映画 ENCYCLOPEDIA 昭和前期篇

『日本の戦車映画 ENCYCLOPEDIA 昭和前期篇』空想特撮愛好会、2016


ここで取り上げているのは、「日本で作られた戦車が出て来る映画」の、1930年から、1944年までの作品。作品ベースでは、「進軍」、「戦ふ兵隊」、「上海陸戦隊」、「西住戦車長傅」、「将軍と参謀と兵」、「マライの虎」、「あの旗を撃て」などなど。

26ページの薄い本だが、チラシ、パッケージソフトの画像、映画本編の画像など、まめに載っている。映画には、スタッフ、キャスト、あらすじ、作品解説がつく。

何本かは見ているのだが、あまりおもしろい作品はないジャンル。それでも、「上海陸戦隊」に19歳の原節子が出ていたり、「マライの虎」に小林桂樹が出ていたり、発見はある。

まだ見ていない作品で見たくなるのは、「あの旗を撃て」。コレヒドール攻略戦の映画。脚本は小國英雄がいて、特殊技術には円谷英二がいる。大河内傳次郎やら、藤田進やらが出ている映画。内容は、まあ露骨なプロパガンダ映画。しかたないか。

戦前の日本戦争映画はほぼ忍耐なしでは見られない。著者の努力には敬服。