1945年±5年

「1945年±5年 戦争と復興:激動の時代に美術家は何を描いたのか」、広島市現代美術館、2016.10.6


現代美術館でやっている展覧会。これは10月10日までなので、ぎりぎりのタイミングで行ってきた。これは行ってよかった。

1940年から、50年までの絵だが、多くは1945年まで。つまり戦争中に描かれたもの。もちろん、戦争中であっても、描きたいものをただ描いている人もいる。靉光とか、まるっきりフリーダムにやっている。しかし、それは例外。

多くは、戦争という環境で絵を描いているので、直接的な戦争画でなくても、どこかに戦争の香りがする。満州の風景とか、南方の風景とか。小磯良平の絵でも、どこかに銃後を思わせるものがある。

そして中心はやっぱり戦争画藤田嗣治の絵は、「シンガポール最後の日(ブキ・テマ高地)」。やはり傑作。

とにかく笑えたのは、山二「)」で、女神アテネががっくりしていたり、議事堂が壊れたり、ヘルメットに「HOLLYWOOD」と描かれていたりして、香ばしい。これがウケていたところがすごい。

水木しげるは、スケッチがいくつかあったが、圧倒的なうまさ。この画力があったから、あの作品が描けたということ。

最後は、丸木位里・俊の、「原爆の図」。まあ、この美術館だから、締めはこれ。締めに値する作品ではあるけど・・・。

平日なので、人は少なかったが、その分、ゆっくり見られて、とても満足。もうちょっと早く行っていれば、さらに一回、見られたのに。