風と木の詩 #5-6

竹宮恵子風と木の詩』 #5-6


5巻と6巻を読んだ。ここまでが、「ジルベールが、ラコンブラード学院に入る前までの」物語。

ジルベールは、ボナールとオーギュストに犯された後で、悪魔のように立ち直っていく。ジルベールに変な同情などさせないようにしているところが、竹宮恵子のえらいところ。野生の獣は、かんたんに人に飼いならされたりはしないのだ。

ボナールは完全にジルベールに振り回されている。これもジルベールがわざわざボナールに食われに行っているからですが。しかも、ジルベールがどうしても欲しいボナールは、とうとうオーギュと決闘。もちろん決闘はジルベールが味方した側の勝ち。ジルベール様は容赦ないわ。

さらに明かされるジルベール出生のひみつ。本当の父親はオーギュでした。しかし、オーギュも、生みの母も、誰もジルベールに親としての愛情など感じていない。この親にしてこの子あり。

で、オーギュは、ジルベールの両親に手切れの条件として、学院に莫大な寄付をさせ、学院の内部には従弟のロスマリネを生徒総監にして、学院を支配させる代わりにジルベールを保護するように命じる。ジルベールが何をしても学院から追い出されないのは、このことがあったから。

7巻からは、セルジュの話。途中で読むのをやめるのが苦しいわ。一気買いはおそろしい。