世界史 II 人類の結びつきと相互作用の歴史

ウィリアム・H・マクニール、ジョン・R・マクニール(福岡洋一訳)『世界史 II 人類の結びつきと相互作用の歴史』、楽工社、2015


マクニール親子の『世界史』の2冊目。これは1500年以後の歴史。

前の巻は先史時代から1500年までの歴史を「大雑把に」扱っていて、これはこれで読みやすく、よく書けていた。

この巻も、新大陸の発見や、ヨーロッパ、アフリカ、新大陸の三角貿易など、農作物や病気の伝播が、世界をどう変えたのかという部分は読んでいておもしろい。また、エネルギーの活用=産業革命の影響もよく書けているところ。

しかし、20世紀の部分についてはあまり精彩に欠けていて、世界大戦やその影響、冷戦というようなことはうまく扱えていない。技術の交換や拡大では説明できない部分が大きいのだ。インターネットの普及みたいなことも、歴史として書くには新しすぎて、うまく扱えない。

とはいえ、大雑把な歴史を短いページで描こうとすると、技術が非常に重要になることはわかった。あと、重要なのは宗教か。国ごとの歴史を細かく書くことはできないので、政治制度や社会的事件をうまく取り込めないのは仕方ない。読みやすいのが取り柄の本。