晴れた日は巨大仏を見に

宮田珠己『晴れた日は巨大仏を見に』幻冬舎文庫、2013


もとは白水社から2004年に出ていた本の文庫化。初出時点で、「巨大仏」(著者の定義。全長40メートル以上の仏像)は日本に16体あったので、それを全部回るという企画。

40メートルというのは相当大きく、鎌倉の大仏は11.5メートル、奈良の大仏でも14.7メートルしかない。この大きさでは屋内に収納するのはムリだし、もともと露出させることが目的なので、すべて露天。また、これらの仏像はどれも最近できたので、大半は1980年代以後につくられた。

町中につくるということはむずかしいのだが、それでも、仙台や加賀温泉の巨大仏は、ちゃんと人家の近くにある。どう見ても異様な光景。たいていの巨大仏は、バブルの産物なので、とにかく見た目勝負の上、出来てしまった後で客が来なくなるとほったらかしになっている。牛久の大仏みたいにいまでも現役でいるものは実はめずらしい。

牛久大仏はどうしても見たいし、他の大仏も写真で見ると異様さがきわだっていて、行きたくなること必至。うちから一番近いのは小豆島か久留米のようだが、やはり遠いわ。しかし遠くにあるからこそありがたいということもあるかも。