保守の本分
noiehoie『保守の本分』、扶桑社新書、2013
著者は近代主義で、議会制民主主義を支持すると言っている。この本全体が近代(もちろん、イギリスとヨーロッパの近代)の規範から逸脱するなという態度。この時点で、「その保守というのは、日本の保守とは違いますね」という話にしかならない。
実際、著者の歴史の知識は浅いことおびただしく、本を数冊読んで日本近代史をわかったことにしている。これで保守が標榜できるのであれば安いもの。
著者の態度は、要するに反レイシズム、反原発、反貧困が先にあり、その態度と薄い右翼は妥協可能でしょうというもの。できることはできるが、それは保守とは違うもの。著者は、ネトウヨがアンチ左翼というだけだと言っているが、著者自身が自分の立場をきちんと突っ込んで考えておらず、アンチネトウヨでしかない。勉強してない人が何を言っても薄い話にしかならない。
この本が扶桑社から出たということが一番笑えるネタだろう。扶桑社も、保守という看板さえ出していればなんでもいいらしい。