なんでコンテンツにカネを払うのさ

岡田斗司夫、福井健策『なんでコンテンツにカネを払うのさ』、阪急コミュニケーションズ、2011


例の騒動以来、岡田斗司夫の本は買う気にならないので買っていないのだが、これは図書館で借りてきた。

著作権についての、岡田斗司夫知財弁護士の福井健策の対談本。前半は書籍自炊と自炊代行の話。岡田斗司夫著作権をできるだけ緩くしろという立場なので、そう言っている。福井健策はもちろん同意はしていないが・・・。

しかし、岡田斗司夫は、著作権はそういう概念そのものが存在しなかった時代とデジタルコピーが可能な時代の間にだけ、技術的にコンテンツとモノが癒着していて管理可能だった時代に成立していた過渡期の概念だという。これは半分納得。

半分納得していないのは、岡田がいう「FREEex」の概念は現実には成立しないし、それだけでなく岡田が自分のファンからお金を集めてめちゃくちゃなことをやる道具にしかなっていないことがバレたため。

福井健策がいう「全メディアアーカイブ」は、話としてはおもしろいが、オプトアウトを法律でできるようにするところに既存の会社が抵抗するだろうから、実現は大変そう。

その仕組みにポイント制を組み込んで通貨として使わせろという岡田の提案は実現すればおもしろい。実現すればだけど・・・。