ヘイトスピーチ

安田浩一ヘイトスピーチ 「愛国者」たちの憎悪と暴力』、文春新書、2015


内容はタイトルのとおり。最近出た本なので、比較的最近のことも取材対象に入っているし、この問題をよく知らない人に対してもわかりやすく書かれている。自分は、著者の立場には賛成はしていないし、特に著者は表現の自由が何を意味するのかを基本的にわかっていないと思う。

しかしそれはそれとして、著者がウソを書いているとは思わない。この本に書いているようなことが実際に行われているのは事実。政治家が、こういう立場に親和的な態度をとっていることも否定はできない。

なにより、「敵に不寛容」という態度は、もはやこの本に登場する取材対象者だけでなく、彼らに反対する人々にも共通だろう。著者自身にもあてはまる。ネット上での「犯人探し」も同じ。いろいろとたいへんなことが多い社会になっている。