ぼくらの近代建築デラックス!

万城目学、門井慶喜『ぼくらの近代建築デラックス!』、文春文庫、2015


建築見てあるきの本。非常におもしろい。著者二人は関西に縁が深いので、基本的には大阪、京都、神戸の三都市の近代建築をまわり、その後横浜、東京をめぐって、また大阪、東京、台湾をまわるという構成。

万城目学はツッコミを入れていて、これはこれでおもしろいのでよい。ほどんどを語っているのは門井慶喜。建築家ではないのに、どうしてこんなに知っているのかというくらい勉強している。あとがきを読むと、事前に資料を準備したのは全部門井だと書かれているので、建築愛は半端ないレベル。特に建築家の人物に焦点をあてていて、これはおもしろさのポイントになっている。

まえがきに写真を小さめにしているのは、これを読んだだけで満足しないで、実際に足を運んでもらうためだと書かれている。かゆいところに手が届くような書き方。また有名建築物だけでなく、有楽町駅ガード下のような渋いところも拾っている。

この本は2010年から回り始めているので、ここに収録されている建物は基本的には現存しているはず。これは実際に回る時には大きな安心材料になる。とりあえず大阪と神戸はまったくよくわかっていなかったので、今度行く時にはかならず建物を見るわ。ちゃんと本も読んでおかなければ。台湾の建物も見たい。