物語 中国の歴史

寺田隆信『物語 中国の歴史─文明史的序説』、中公新書、1997


中国の歴史(先史時代から辛亥革命まで)を新書1冊にしちゃえという本。最近の中公新書はこのスタイルの本をよく出しているが、最初は中国史だったのだ。とはいえ、他国と比べても中国史は、対象となる期間が格段に長いので、たいへんだ。

著者は、東北大学名誉教授。著者を見ると、明代が専門。この本は内藤湖南と、宮崎市定の本を下敷きにして書いたとあとがきに書かれているが、実際に読んでいておもしろい。中国史は、おはなしになりやすいし、高校教科書の歴史の記述がちょっと濃くなったようなものでも楽しく読める。

これだけ長い歴史を扱っているにしては、内藤、宮崎以外の本が紹介されていないとか、いろいろ文句はあるが、あまり文句を言ったらバチが当たるので、おもしろいだけでいいわ。もうちょっと詳しい本はいくらでもあるので。