女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密
矢野耕平『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』、文春新書、2015
自分はこの三校の出身者と少ししか知り合いがいないので、単なる好奇心で読んだのだが、確かに生徒たちは真面目でよく勉強する。それも学校が勉強を強制しているというよりも、生徒が自分で勉強している。大体進学校というのはそういうものだろう。
自由にさせていても極端にハメを外す生徒はいないし、それなりにのびのびやっている。むしろいろいろうるさく言ってくるのは、生徒の親。親がこんなにうるさく言ってくると言うのは、さすが女子校という印象。男子校ではそれはない。しかも、男女交際と言うものがほぼ皆無のように書かれている。多分こういう進学校に行っていると、そんな機会もほとんどないだろう。親にとってはとても安心な学校。
修学旅行や文化祭、体育祭のような学校行事には、特に力が入れられていて、この本でも詳しく書かれている。こういう学校は行事が大好きで、実際に生徒も非常に行事に打ち込んでいることが多いのだ。悪く考えると、男女交際に使うようなエネルギーをそっちに吸い取られているのだが、男子校でも似たようなことがあるので、あまり驚かない。
ほとんどの内容は、卒業生のインタビューから得られていて、まだ学生か社会人になりたての若い卒業生に細かくいろんなことを聞いている。それらの卒業生の「なんとなく普通と違う感じ」についても仔細に描写されていて、そこがまたこれらの学校の魅力を強めるように書かれている。
学校関係者のインタビューもなされていて、とにかく女子の社会的能力向上に対して、非常に真面目にやっている。これも当然ではあるが。
これらの学校は、エスカレーターで大学に行くことができないので、そういう女子校よりも、その分勉強に打ち込んでいる。それが人生いいことなのかと言うと、簡単には言えないと思うが。