ダンジョン飯 1巻

九井諒子ダンジョン飯』1、KADOKAWA、2015


評判がよかったので読んでみたが、おもしろいわ。

ダンジョンもののゲームや小説、マンガにまったくなじみがないのだが、そんな人でもさくさく読めて、すぐに作品世界に引き込まれる。

主人公は黄金の国を求めてダンジョンを探索する剣士、エルフ、ドワーフ、小人のパーティ。ダンジョン深部で、剣士の妹がドラゴンに食われてしまい、金と物資も足りなくなりかけて・・・そこでダンジョンに出てくる怪物を料理して食いましょうという展開に。

怪物をどう料理するのか、怪物は食えるのか、うまいのか、いろんな問題がどんどん出てくるが、怪物はちゃんと調理すれば食べられます。おいしいです。歩き茸、スライム、人喰い植物、マンドレイク(マンドラゴラ)、バジリスク(鶏と蛇のキメラ)、動く鎧(群体で活動する軟体動物)って、あまり食べられそうでない怪物がちゃんとおいしそうに調理されて出てくる。

これはひとえに作者の設定の緻密さと発想の卓抜さのなせるわざ。動く鎧の回は、鎧が食べられるのかさっぱりわからなかったが、タネが分かっておどろいた。

現在2巻まで出ているが、この発想力があれば当分続けられる。作者の他の本も読むしかない。とりあえず、作者の既刊本はすぐに入手した。