フシギ? の世界―ここではないどこかへ

フシギ? の世界―ここではないどこかへ」、福岡アジア美術館、2015.9.23


これもコレクション展。美術館の能書きは、

はじめに
 私たちの目は、遠いものを小さく、近いものを大きく描いた絵をみると、本物らしく感じます。しかし、ちょっと昔までは、大切なものや権威ある人を大きく描くなど、別の視覚をもっていました。本展では、まず、アジアに西洋から遠近法や陰影法といった技法がもたらされ、奥行きのある画面、立体的な建物などを描くようになった時代の作品から、「視覚のフシギ」に迫ります。
 次のフシギ?は、まるで魔法にかけられた世界に迷いこんだような作品。フシギな風景ですが、実は心の景色としてならよく見る世界かもしれません。そんな「ここではないどこかへ」みなさんをお連れします。
 最後に、見なれた身近な町や生活の場が、思いがけない場所や時代にワープしてしまった「いつもの場所なのに!?」と思うような、奇妙な空間の作品をご紹介します。


1.視覚のフシギ
18世紀末、西欧がアジアに進出するにつれて、貿易や経済だけではなく、美術の分野にも新しい技法がもたらされました。当時、物を見る新たな視覚――遠近法、陰影法を学び始めたアジアの作家たちが描いた作品は、今の私たちの目からは視覚的に惑わされるようなゆがんだ世界に見えるでしょう。

2.ここではないどこかへ
ここでは、現実と非現実の世界を行き来するような作品を紹介します。作者たちは、夢や瞑想からうまれる超自然の風景や、自然に宿る人知を超えた存在を神秘的に描き出し、私たちを「ここではないどこかへ」連れて行ってくれます。

3.いつもの場所なのに!?
私たちに身近な商店街、通学・通勤路、買い物する町、そして福岡アジア美術館などいつもの場所が、あれ!? なんかちがう? あたりまえの日常世界が思いがけない姿で見えてくる作品を紹介します。


ここに書いてあるとおりで、普通の遠近法で描かれた絵に慣れていると、この展覧会の作品は、明らかに変。作家も、19世紀の人は、遠近法をよく理解できなかったのだろう。現代の作家の作品もあり、こっちはこっちで空間的に狂っている。

これはこれでアリ。ここの美術館は、椅子がたくさんあり、歩くのがめんどくさくなると、気楽に座って見られるのもよし。