カラシニコフ II
松本仁一『カラシニコフ II』、朝日新聞出版、2010
前著 『カラシニコフ I』に続いて、AK銃の製造と使用の現場を追いかけた本。むしろ前著よりもおもしろいかもしれない。
アフリカが、最初からまともな政府が成立したことがないのに対して、こちらは、明確なきっかけがあって失敗国家に転落した国。コロンビアでは、麻薬組織がらみの内戦。左翼ゲリラと言われているものも、資金源が麻薬であることは変わらないので、同じもの。
一番読みでがあったのは、パキスタンのAK銃工場。家内工業規模の工場で1日10丁、月産300丁の規模。自衛隊も年産2000丁から3000くらいの規模なので、そんなに変わらない。銃身のような家内工業でつくれない部品だけは外注しているが、極端に精度をもとめられるようなものではない。腕のいい職人がいれば、まともなものができるのだ。設備を備えた大量生産品との違いは耐久力。連続1000発撃てば、住信その他の耐久力が違うので命中がパラつく。しかし現実には戦争でもそれほどたくさんの球を打つことがないのであまり問題は起こらない。
もちろん弾薬はこの手段では作れないので、これだけでAK 銃を打てる状態になるわけではない。しかし銃の製造がこの程度の技術力で可能になるとはよく知らなかった。このことがよくわかっただけでも非常に大きい収穫。
もちろん弾薬はこの手段では作れないので、これだけでAK 銃を打てる状態になるわけではない。しかし銃の製造がこの程度の技術力で可能になるとはよく知らなかった。このことがよくわかっただけでも非常に大きい収穫。