頭の悪い日本語

小谷野敦『頭の悪い日本語』、新潮新書、2014


あっちゃんの日本語誤用コラム集成。こういう本はむかし呉智英の本をよく読んでいたが、この本で呉先生の本はかなり乗り越えられた感じがする。他人の誤用を指摘するためには、当然書くほうが正しい用法を知っていなければならない。しかも国語辞典だけを根拠とするわけにはいかず、語源を知っていなければならない。指摘したほうが間違えていると、大変みっともないことになる。相当の知識がないと書けない。

この本で指摘されているのは、誤用、重言、インテリぶった用法、誤用ではないのに誤用扱いされている用法、差別語、著者の嫌いな用法、勘違いされている言葉(政治、法律、大学、名誉、病気、文化等々)と続く。

この本で指摘されている誤用のうち、誤用だとわかっていたのは三分の一くらい。おまけしても4割。後は指摘を読んで知った。自分がみっともないわ。それにしても作家も学者も誤用はしているのだ。