図説・戦う城の科学

萩原さちこ『図説・戦う城の科学』、SBサイエンス・アイ新書、2015



最近のサイエンスアイ新書は何でも出すようになっているが、これは城郭史。もう何がサイエンスなのかよくわからないが、この本を読んでみると、建築や軍事などいろいろな方面から読んで面白くなるように書けている。

城郭史を一通り全部カバーしようとする本なので、古代の山城、環濠集落、柵、方形居館、中世城郭、近世城郭と、一通りの城は全部取り上げられている。

城の構造、城攻めの実際には特に多くのページが割かれている。このシリーズは図版が多いのが特徴だが、そのおかげでとても読みやすい。特にイラストや地形図が豊富なのがよい。中世城郭の施設が実際の戦いでどう使われたのか、よくわかるように書かれている。実地調査もまめにやっていて、非常に労力の詰まった本。