女子校育ちはなおらない

コミックエッセイ編集部編『女子校育ちはなおらない』、KADOKAWA、2014


コミックエッセイを集めた本で、原稿を出しているのは、まずりん、蟹めんま辛酸なめ子水谷さるころカザマアヤミ田房永子、大石蘭、松苗あけみ

女子校出身のマンガ家が、自分の女子校生活についてのエッセイを描いたというものだが、作家によって内容の粗密が激しく、この本の編集方針が作家によく伝わってない。

辛酸なめ子の執筆部分(マンガと文章の両方あり)はさすがにおもしろく、伊達にこのネタで本を書いているわけではないことがわかる。下駄箱に手紙を入れて通信とか、昔の人は本当にやっていた。女子校を卒業してしまうと擬似百合関係がさっさとなくなってしまうことも世の習い。

問題は辛酸なめ子以外の部分があまりおもしろくないこと。松苗あけみなんて、完全に「わたしのマンガ家人生」みたいなことになっている。松苗あけみは高校時代からセミプロみたいなものなので、そういうものだろうが。

あとは、「女子校ものマンガ」を紹介するページがいくつかあって、そこはちょっとだけ参考になる。

解説を酒井順子が書いていて、この部分は内容としてはいいが、この本の内容に全然言及せず、酒井順子の女子校生活について書いただけ。編集がいいかげんだと、よい本はできない。