同棲終了日記

おりはらさちこ『同棲終了日記』、双葉社、2014


コミックエッセイ。内容はタイトルのとおり。副題に「10年同棲した初彼に34歳でフラレました」とある。

10年同棲しようが、既成事実以外には何もないので、相手が「気になる人ができたから別れよう」と言ってくればそれまでのこと。とはいえ、普通は相手を翻意させようといろいろ抵抗するもののような気がするが、著者は相手が本気で他の女に心を移しているとわかると、それ以上の説得はあきらめている。

あとは、自分を納得させるための作業と時間経過があるだけ。淡々としたものである。著者は茫然自失だが、時間は勝手に過ぎていき、アパートの更新期限が来ると、契約を解消してバラバラに出て行くだけ。

著者は相手を傷つける言葉を言って後悔しているが、いい人だ。相手のことなど心配している場合じゃないと思うが・・・。相手を恨むより、こうして創作の方向に向かっているんだから、前向きといえばそう。とはいえ、著者の心のなかでは全然決着がついていないことは読めばよくわかる。