在日コリアン白書2014

李策在日コリアン白書2014』、ピッチコミュニケーションズ、2014


この本は電子版で買ったが、紙媒体が見当たらないので電子版のみの発行かもしれない。著者は、1972年生まれ、在日朝鮮人3世のライター。

2014年時点での在日の意識や生活について、説明している。短い「トピック」をたてて、一問一答形式で記述。できるだけ新しいデータを載せているところがセールスポイントで、人口、帰化の状況、結婚などについては国の発表した数字が示されている。

在特会やいわゆるヘイト問題については、まったく記述がなく、意図的に書いていない。ただし、「差別反対」という著者の立場は明確にされている。自分の立ち位置を最初に出さずに、なるべく事実中心の記述にすることが、この問題を語るときには支持を得られやすいと考えているのだろう。

帰化者数の推移(2003年が最多で、2013年には3分の1近くまで減っている)や、在日同士の結婚の推移(2012年では在日の関わる結婚全体の約2割が在日同士の結婚)など、数字の推移を見るためには役に立つ。総連や民団の内部事情の記述も参考になった。