乙嫁語り 5,6

森薫乙嫁語り』、5、6、エンターブレイン、2013-2014


もう7巻が出ているのだが、図書館にあったので、5巻と6巻を借りてきた。4巻を読んだのはずいぶん前のことなので、記憶が飛んでるわ。読んでいるうちにだんだん思い出したけど。

5巻は、双子の姉妹、ライラとレイリの結婚式。このマンガは、どこをどうやって調べたのかいつもよくわからないが、中央アジアの結婚式の様子が緻密に描かれている。基本は1週間ちかく続く祝宴だ。宴は、花婿が花嫁を迎えにくる何日も前から始まっていて、花嫁はずっと座っているだけ。持参金のやりとりなんかもきちんと描かれている。二人の持参金は、舟なのだが、これ、どうやって運ぶんだろう。

6巻は、待ちに待った戦争。アミルの実家、ハルガル家が、遠縁の部族と図って、エイホン家の町に攻めてくる。戦争の理由は、不足した牧草地をエイホン家の町から奪うため。

遠縁の部族は、ロシアの支援を受けていて、短銃200、小銃多数、軽砲18も持っている。軽砲は馬1頭で牽けるのか微妙。合わせて80人でエイホン家の町を襲うことになっているのだが、そんな少人数でこれだけの武器を持ち運べるのか?弾薬だって持たなければならないのに。

遠縁の部族は、エイホン家とハルガル家を共倒れさせることが目的なので、途中で裏切ってハルガル家の軍を襲ってくる。しかしタイミングが悪く、ハルガル家を潰す前に反撃され、族長も殺されてちりぢりになってしまう。その後で、ロシア軍(藩王の治安部隊と言っている)が、何食わぬ顔をして、町を接収に来るが、ていよく追い返される。

騎馬の襲撃、銃と弓矢が混在する戦い、大砲、もりだくさんの戦争でおなかいっぱいになる。ハルガルの族長が殺される場面も非常によい。

全体としてのストーリーはざっと知っているだけでも、設定と場面の描写、エピソードのきらめきで一気に読ませてしまう稀有なマンガ。何巻まで続くのかわからないが、ずっとたのしみ。