未見の星座 つながり/発見のプラクティス

「未見の星座<コンステレーション> つながり/発見のプラクティス」、東京都現代美術館、2015.3.7


東京都現代美術館で、「菅木志雄展」といっしょにやっていたのがこれ。同時にかかっていた「ガブリエル・オロスコ展」は、時間がないからあきらめたが、この展覧会を見たのはよかった。

淺井裕介《全ての場所に命が宿る》2011/2015年
伊藤久也《みせ派》2015年 
大﨑のぶゆき《water drawing-stardust-》 2007-08年
太田三郎《バードネット―世界はつながっている》 2015年
北川貴好《境界を越え舟は巡回し、東京都現代美術館は現れる。》 2015年
志村信裕《Dress》 2012/2015年
山本高之《Facing the Unknown》 2012年

この7人のグループ展。展覧会のタイトルは、「個々の作品や、作家や、町がいろんな形でつながっているんですよ」という趣旨。

どの作家もおもしろかったが、一番は北川貴好の映像作品。ダンボールを船に見立てて、ダンボールの船が現代美術館の近くのあたりから、内部に入っていき、そのまま美術館のバックヤード、事務室や空調室や倉庫なんかにどんどん入っていくのを連続写真にして、早いスピードでスライドショーで映し、船が美術館の外や内を実際に運河のように進んでいるところを見せるというもの。美術館のバックヤードなんて見る機会はないので、これはたのしめた。

太田三郎の作品は、全部切手がモチーフで、中でも松尾芭蕉が「奥の細道」でめぐった場所を実際にまわり、その郵便局で郵便を出して、消印の押された切手を地図上に並べることで、芭蕉の足跡を追うというもの。これは車かバイクか、何で回ったのかわからないが(まさかバスや鉄道ということはないだろう)、芭蕉の後を追いかけるたいへんさと速度が伝わってくる。

大崎のぶゆきの作品は、星座が点で描かれ、それがにじんでバラバラにほどけていくところを、大きなスクリーンで順番に見せるというもの。クッションがいくつか置いてあって、座ったり寝そべったりして、ぼんやりながめていると、のんびりできてたのしい。

他の作家も、いろいろと発見があって、気分的にワクワクさせられた。作家の手腕もあるが、企画したキュレーターもえらい。この美術館の広いスペース(と、周辺の町の協力)で、おもしろく見せている。ほんとうは3時間くらいかけてゆっくりできるとよかったのに。