肩書きのない人生

「肩書きのない人生」、相田みつを美術館、2015.3.7


相田みつを美術館というものが、有楽町駅の隣にある東京国際フォーラムの中にある。それってどうなのよと思っていたが、一度は見てみてもいいかと思って行ってきた。もちろん、この前NHKEテレで放送していた「日曜美術館」の相田みつを特集の影響もある。

土曜日の午前に行ったら、かなりの客がいて、それにまずびっくり。この日は、館長で相田みつをの長男、相田一人氏が館内を案内するツアーをやっていた。無料だったので途中から参加。全部は聞いていないし、ツアーで全部説明する時間もないので、いくつか選んで説明していたが、「日曜美術館」の放送で観覧者がやたら増えた作品がけっこうあり、テレビの威力を実感した。あの番組、視聴率は1%もないくらいだが、それでも200万人くらいの人は見ているのだ。ちなみに「日曜美術館」で書家が取り上げられたことは、番組の30年以上の歴史で4回しかないとのこと。

相田みつをは、最初は普通の書家だったので、初期の作品は、普通の上手な書。これはこれでいいと思うが、一般人は普通の書には目もくれないので、暗中模索の末に、ああいう書と詩の混合作品を書くようになった。

自分は相田みつをに説教されたくないし、あんなことを書いて、見ている方が恥ずかしいと思っているのだが、そんなことを気にしていては、人の気持ちはつかめないということ。

実際に驚いたのは、来場者が作品のひとつひとつをほんとうにていねいに見ていること。普通の展覧会では見ない光景。来ている人は、作品と相田みつをが好きで来ているのだ。だいたい、東京国際フォーラムのような、賃借料がけっこうかかるような場所に、それなりの広さの個人美術館ができるということが驚愕。それだけ客がたくさんいるということ。しかもさらに驚いたのは物販コーナー。ルノワールの展覧会だって、あんなに売れているかどうかはわからない。とにかく、客は、相田みつをの作品がプリントされたいろんなグッズを買いまくっているのだ。どこに置くのか、見当もつかないが、家の目立つところに置かれるのだろう。

さらにガチャガチャがあった。これは小さい台と相田みつをの作品が書かれた小さな額を組み合わせたもの。ガチャガチャだから、2回も回しちゃったよ。どこにおいていいのか、困っている。ほんとうに相田みつをはおそろしい。