宗教とアニメーション

かに温泉『宗教とアニメーション』(第二版)、2012


これは中野のタコシェで拾ってきた薄い本。並びは、制作会社順。ひとつの宗派、宗教は同じ制作会社と組んで制作を続ける事が多いので、これでいいのである。

グループ・タック(2010年に倒産)は、西本願寺。「念仏物語 親鸞さま ねがい、そして ひかり」、「仏典物語」(1-12)。絵柄は両者でかなり違う。この会社は、「幸福の科学」の映画も作っていて、「ヘルメス―愛は風の如く」(1997)、「太陽の法 エル・カンターレへの道」(2000)、「黄金の法 エル・カンターレ歴史観」(2003)、「永遠の法 エル・カンターレの世界観」、「仏陀再誕」と、5本制作されている。

ジャケットの写真が出ているが、一見して、幸福の科学の映画だけでも、絵柄はバラバラ。こんなのでいいのか?これは長編映画だが、幸福の科学は短編では、京都アニメーションとも組んでいる。

東映アニメーションは、浄土宗、「わたしたちの法然さま」、(1981)、霊友会、「おしゃかさま」(1972)、平等大慧会、「魔滅の舟師―まめつのせんし―」(1995)、創価学会、「ヒマラヤの光の王国」、「サンゴの海と王子」ほか。創価学会アニメは、「原作 池田大作 発売 シナノ企画」で大量につくられていて、基本的には創作童話。地方U局でも流れている。もちろん忘れてはいけない「アニメ 人間革命」(1-20)もあり。

スタジオぴえろは、ワールドメイト深見東州の団体である。「神だのみ入門」(1-13)ほか。ワールドメイトって、こんなにたくさんアニメを出していたのか。

学研は、神社本庁。「アニメ古事記」ほか。

制作会社と組まない、または独立系の会社に作らせているのは、統一教会、「清平アニメ サタンの誘惑」、浄土真宗親鸞会、「世界の光 親鸞聖人、曹洞宗、「道元さま」、立正佼成会、「生命幻想曲(ファンタジー)」、オウム真理教、「創世記」、「超越神力 天耳通」。

この本を読んでいると、たくさんのジャケット写真が出ているが、半分くらいがVHS。古い作品だと、DVD化されることはないのだろう。これだけの作品を集めただけでも大変な労力。多くは宗派、教団が直販しているので、Amazonでもどうにもならない。集めるのも大変だが、見るのはもっと大変なはず。