だって女子だもん

雨宮まみほか『だって女子だもん 雨宮まみ対談集』、ポット出版、2012


雨宮まみの対談集。対談の相手は、峰なゆか湯山玲子能町みね子小島慶子おかざき真里

湯山玲子はキライ、峰なゆかおかざき真里はよくしらない。しかしこの本そのものは非常におもしろい。雨宮まみがいろんなところでしたトークショーを本に起こしたもの。

特におもしろいのは、能町みね子小島慶子とのトーク能町みね子とのトーク「処女のままで死ねない」は、能町氏がめちゃめちゃ食いついていて、読んでいてつらくなるほど。この時は、能町氏が「オールナイトニッポンゼロ」をやっていた、2012年3月。

二人の人生はいろいろ重なっていて、一番は、「処女であることに悩んでどうにかしようとしたところ」。ネット掲示板で出会った男と付き合ったり(能町)、テレクラで会った相手と付き合ったり(雨宮)というもの。この二人は世代的に、まだテレクラがあり、ネット掲示板もまだ小さいけどあった頃だから、かぶっている。

合わない相手と付き合っていた理由が、「自分は彼女なんだ」という自己肯定感と、とりあえずセックスできるということも同じ。これは読んでいる方が自分を思い返してつらくなる。

「モテたいというのは、切実すぎて涙なしには聞けないようなことをマイルドな表現にして語っているだけ」とか、胸に刺さることがずばずば書いてある。処女を捨てるときに間違った方に行くと大破とか、みうらじゅん伊集院光のような現在十分リア充であるような人間が、自分が童貞だった時のことを仲間ヅラして語るなとか、いちいちうなずくことばかり。

結婚して幸せになれたら、「つまらなくなった」と言われても全くかまわないという締めが切実。これは読んでよかった。