アトリエ・ワン:マイクロ・パブリック・スペース

アトリエ・ワン:マイクロ・パブリック・スペース」、広島市現代美術館、2014.5.6


広島市現代美術館で5月8日火曜日までやっていた展覧会。これはチケットを前売りで買っておきながら、当日行こうとしたら見つからないという大失敗。まあ、美術館に寄付したと思ってあきらめた。

この「アトリエ・ワン」というのは、建築家のユニット。よって、展示は建築。建築の展示だと、図面や建築模型になりがちなのだが、この建築家の作品はひと味違っていて、可動式のインスタレーションと建築の中間みたいなもの。展覧会HPの説明では、

アトリエ・ワンはこれまでに様々な地域の歴史、文化や環境、そこに身を置く人々のふるまいの調査をもとに、小さな構造物や家具によるインスタレーション作品を多くの美術展で発表し、それらを「マイクロ・パブリック・スペース」と名付けてきました。たとえば、10メートルにおよぶ長さを持った純白の屋台(ホワイト・リムジン屋台)や、読者をすっぽり包み込む書棚(マンガ・ポッド)のように、それぞれがユニークな機能と造形を備えています。それらは小さな建築であるばかりか、小規模ながらも多様な人々に開かれた場をつくり出すものです。」

ということになっている。

この展覧会用の新作もあり、現代美術館の1階から2階への吹き抜けになっているスペースを利用して、木造の骨組みの中に階段ができている。これは実際に歩けるようになっていて、美術館に設置してある階段を使わずに、2階から階下の展示スペースに降りられる。これはたのしいね。

可動式書棚「マンガ・ポッド」は、実際にマンガ雑誌がたくさん置いてあって、それを客が読めるようになっている。読んでいる客の姿を含めて展示物になっているというもの。人形劇用のテントのようなスペースもあり、ここでは実際に人形劇をやっていた(劇は見そこねた)。

図録には建築家による説明が書いてあったが、それ抜きでも楽しめる展示。やはり客自身が展示物に何かできる趣向は興味をひくのにいい仕掛け。建築でも、恒久的な建築物ではなくて、用が済んだら壊したり捨てたりできる軽さがあって、いい感じ。

この美術館は3000円の年間パスを始めたので、これからはそれを買って行ってみようと思う。せっかく近くに現代美術の施設があって、マンガ図書館も近くなのだからなるべく行かないともったいない。