南画精華展

「南画精華展」、頼山陽史跡資料館、2014.3.18


旧日銀広島支店の裏側にある、この施設。いつも近くは通るのだが、あまり立ち寄らなかった。たまたま雨宿りも兼ねて行ってみたら、ちょうどこの展覧会をやっていた。

「南画」って、そんなものを今どき描いている人がいることがびっくりだが、この展覧会は、公募のコンクールで、52点の応募があったものの中の30点を展示、一等から五等までの賞と奨励賞が七点、入賞している。見たところ、応募者は基本的に専業の絵描きではなく、普通の人が趣味でやっている。まあ、南画の伝統からいえば、それでおかしなことはないわけだし、水墨画を趣味でやっている人はある程度はいるのだから、そのくらいの数は集まるのだろう。応募者はほとんど西日本の人ばかりなので、東日本にはその2倍位はいるとして、南画を描こうという奇特な方がそれだけいる。調べてみると、日本南画院という団体があって、会員数1500人という。

コンクールへの応募者の作品の他に、選考委員ら、明らかに職業画家とおぼしき人たちの作品も展示されていた。たしかにこちらの先生の作品は技術的にずっと上。しかし、絵の出来として見ると、素人の絵よりプロの絵のほうが絶対いいとは言い切れないところがおもしろい。プロの絵は、上手いのだが、「描きすぎ」だ。このへんが、おもしろい。

南画だから、何か一言書いてある絵も多く、それなりの能書だ。趣味でやるには、かなり入り口の狭いものだが、過去の作例はいくらでもあるのだし、年をとって時間がいくらでもある人の楽しみとしてはよさそう。自分には敷居が高すぎだが、やっている人はうらやましい。