都築響一トークショー

都築響一トークショー」、音楽喫茶ヲルガン座、2014.2.22


都築響一トークショーが市内のカフェで行われたので行ってきた。客は40人ちょっと入れば満員の小さなイベントスペースなので、当然満席。30分前に行って座りやすい椅子を確保できてよかった。2階席で背中を丸めて見ていたらちょっとつらかっただろう。休憩をはさんで、2時間半少しあったのだ。

前半は、メールマガジンに掲載されていたネタが中心。いま旬の話題になっている浅田真央森元首相ネタでつかみを取った後で、川崎の岡本太郎美術館で行われた「岡本太郎現代美術賞」展、投稿ニャン2倶楽部、北九州の成人式用貸衣装店などなど。北九州の店は、「みやび」というのだが、相当にイカレた服を置きまくっていて、非常にいい。
http://www.shakan.co.jp/miyabi/

後半は、新刊の『独居老人スタイル』所載のネタ。秋山祐徳太子の部屋は、すごいゴミ屋敷で、掃除は一切しない主義。都築響一にいろいろ説教したそうで、ビデオもあった。ほかには、「首縊り舞踊」の人、福島県本宮市の廃墟映画館の人、鳥取市の服屋の人、東京「早稲田松竹」(この映画館がまだあったことに驚いた)の掃除婦ほか、突き抜けた人たちのネタが連発。

特にひかれたのは、本宮市の廃墟映画館。もう40年前に閉館した美術館を一人で保守し、35ミリフィルムを編集して、映画コラージュを作っている。この映画館は、1960年代のやくざ映画、時代劇、ピンク映画のポスターや宣材、フィルムまでちゃんと保存されており、フィルムセンターも持っていない貴重なもの。リアル「ニュー・シネマ・パラダイス」だ。違うのは、こちらは保存されているのがピンク映画だということ。ロマンポルノの10年前、東映が今でもソフトを持っているようなメジャーなピンク映画ではなく、まったく名前も知らないような初期のピンク映画のコレクションがある。さらに驚いたのは、地方の映画館では、映画のタイトルを勝手に書き換えて、違う映画のように装って上映していたという事実。客を騙して稼ぐというやり方が、地方ではできたのだ。

ネタもおもしろかったが、都築響一は、客を乗せる語りがうまく、知っているネタでも非常に笑える。ちゃんと動画もついていたので、さらによかった。本で読んでいても二重に楽しめる。イベント告知があり、3月末で閉館する「嬉野観光秘宝館のお葬式」イベント(4月20日)と、十条のシネカフェ・ソトでの本宮市の映画館関連イベントがあるのだが、これは行きたい。両方行けるといいけど、せめてどちらかは行かねば。