ヤナーチェク シンフォニエッタ ダネル・広島交響楽団

スーク   弦楽セレナーデ

モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第3番

ヤナーチェク シンフォニエッタ


   ヴァイオリン:有希・マヌエラ・ヤンケ

   エヴァルド・ダネル指揮、広島交響楽団、HBGホール、2014.2.21


これは3つとも聞いたことがない曲。そういう演奏会も行ってみなければと思って行ってきた。首席客演指揮者のダネルは、これが広響のラストコンサート。このプログラムにしては客はけっこう入っていた(7割強)と思うが、これはソロの有希・マヌエラ・ヤンケを見に来たのか?広響の聴衆が、そんなにダネルに忠誠心があついとは思われない。

このプログラムは、チェコモラヴィア)出身のダネルが選曲したもの。スークとヤナーチェク、特にヤナーチェクモラヴィア出身で同郷なのでどうしてもやりたかったらしい。

スークは、メロディーのきれいな曲。完全にメロディーだけで押している曲で、睡眠が足りていなかったので、もうちょっとで寝るところだった。この曲は、ダネルの弾き振り。ダネルはもともとヴァイオリンもやっていて、スロヴァキア・フィルハーモニーコンマスも務めていたのだ。編成の小さな曲で、ヴァイオリンはみな椅子なしで、立って演奏していた。ダネルのヴァイオリンは、非常にきれいな音。

モーツァルトは、有希・マヌエラ・ヤンケがソロ。あまりテクニックを見せる曲ではないので、ふつうに弾いていた。無難にきれいな出来。これだけだとどのくらい上手いのかはわからない。ヤンケは、けっこう背が高い人で、指揮者のダネルより上背がある。ドイツ人と日本人のハーフだが、顔は日本人要素が強く出ている。

ヤナーチェクは、大編成の曲。トランペット12本、バストランペット2本で、ゲスト奏者がたくさん呼ばれていた。貧乏な広響ではなかなかプログラムには入れられない曲だが、ダネルのさよならコンサートということで、スペシャルメニューを組めたのだろう。曲としては、そんなにすばらしいとは思われないが、金管楽器がとにかくよく鳴っている。こういう曲だと広響はよくトチるのだが、この演奏ではあまり目立った失敗がなかった。響きもよく、広響の演奏としてはかなり成功していた。ダネルの最後の演奏会ということで、楽員もパワーが出たのかもしれない。