中国の海洋進出

海洋政策研究財団編『中国の海洋進出 混迷の東アジア海洋圏と各国対応』成山堂書店、2013


今年出版された中国の東シナ海南シナ海への進出についての本。中国や東南アジア諸国の、特に南シナ海での対立状況がわかる第1章と第3章はそこそこに役に立つ。新しい本なので、比較的最近の状況がカバーされているところはいい。

しかし中国の「理念」について書いている第4章はちょっとどうかという内容だし、注の付け方が標準的なフォーマットに沿っていないところが散見される。ちなみに各章の執筆者は、元NHK竹田純一とアカデミシャンの奥山真司を除くと、防衛省の関係者。こんなので大丈夫なのか?

章によって、参考になる部分とならない部分の落差が激しい。薄いのにそれなりのお値段(2400円)で、買うには微妙な本。