格付けしあう女たち

白河桃子格付けしあう女たち 「女子カースト」の実態』、ポプラ新書、2013


何やらよくわからない世界をちょっとのぞいてみようということで読んだ本。この著者の本は、どうも自分には合わないのだが、このキャッチーなタイトルにひかれて読んでしまった。

簡単にいうと、男の格付けはわかりやすいが、女の格付けは非常にわかりにくく、人間関係を作る上でたいへんめんどうなことを引き起こしている、というお話。冒頭に中国人の女たちによる格付けの話が出てくるのだが、それは非常に簡単で、要するに「夫がどれだけ金持ちかどうか」で決まっている。リーダーが簡単に決まると、その人が仕切るので、それ以外の人は仕切り役の人に従っていればいい。格付けは、簡単に決まったほうが、何かと便利なのだ。

日本人でも男の場合は、仕事上の地位や仕事上の評価で格付けが決まるので簡単。しかし、女の場合にはそうはいかず、恋愛相手、外見、社会的ステイタスで細かく格付けの仕方が決まっていて、それも所属集団ごとに違う。従って、常に人の顔色をうかがわなくてはいけないようなことになってしまい、社会生活がいろいろとやりづらくなるという話。

それを支えているのが、「ヒマ」、「狭くてぬるい人間関係」、「簡単に集団を移れない」、「意地悪な人が入ってくると、大変」というややこしい社会的基盤。これは中の人にとってはつらそうだ。「ママ友」とか、本当にキツそう。この本が出た記念に、著者が、何人かの女性(だいたい30代で、職業のある人もない人もいるが、ほぼ既婚者)を集めて座談会をしていた記事を読んだが、細かいことでお互いの格付けの探りあいをやっていて、こんな人間関係の中にいたら神経がまいってしまう人が続出するのではないかと思う。

この世界にいなかったのが幸い。みなさん、生きていくのはつらいのだ。