ロハす事典

能町みね子(編)『ロハす事典』ブックマン社、2009


これはかなり笑えた本。能町みね子は編者となっているが、実際は「能町”スローライフ”みね子」と、担当編集者の「山口”オーガニック”山子」の共著。適当にいろんな単語を取り上げてきて、それが「ロハス」になるかならないかを、イメージとこじつけで判定して、「ロハす偏差値」という点数をつけてみましょうという企画。2人の漫才みたいなものだ。本来の「ロハス」とはちょっと違っているかもしれない、ということで「ロハす」という動詞を勝手につくって、使っている。

取り上げている単語は、まったくバラバラで、ロハすかロハさないかの判定も適当。しかしこれは笑える。「ロハす偏差値」の高い方からあげると、「工藤夕貴」(84)、「はな」(82)、その後は「重曹」「すまい」「リネン」「紀文の豆乳」と続く。

低い方は、「燃えないゴミ」(20)、「ピンクチラシ」(25)、後は「マリー・アントワネット」「霊感商法」「宇多田照實」と並んでいる。まあ、なんとなく納得。しかしおもしろいのは、この単語のセレクションだけでなく、なぜその単語がロハすのか、なぜロハさないのかについての、2人のいいかげんなトークにあるので、これは実物を読まないと味わいが出ない。

能町みね子がおもしろいのはもともと知っていたが、担当編集者の「山口山子」氏がただものではないおもしろさ。この人材を発掘してきたところも成功の一因。ひさびさにげらげら笑って読了できた。