何歳まで生きますか?

前田隆弘『何歳まで生きますか?』PARCO出版、2012


「いつまで生きようと思っていますか?」というネタで、著者が11人にインタビューした対談集。対談の相手は、二階堂和美向井秀徳雨宮まみ、pha、石井光太真鍋昌平入江悠久保ミツロウ東浩紀、金子平民、渋谷慶一郎

自分は久保ミツロウのところを読みたくて手に入れたのだが、他のインタビュー部分もけっこうおもしろい。半分くらいはまるっきり知らない人だが…。

久保ミツロウのインタビューは、扉に本人の写真がばーんと出ているので、たぶん去年のいいとも出演(2012年5月)より後だろう(この本にはインタビューが行われた日がはっきり書いていない)。写真はかなり写りがいい。

不老不死になりたい、とか結構言いたい放題なことを言っているが、やはり前向き。「悔いのないように生きたい」と明言しているし、レイ・ハラカミが死んだことでいろいろ考えていて、できることは全部やってから死にたいらしい。そのくらいエネルギーがないと、週刊連載の締め切りに追われながらANNに出るのはなかなかできないだろう。

ほかにおもしろかったのは、対照的な意味で、pha。こちらは、当然のように非常にテンション低い。他人と会うのは40分が限界だそうだ。それはそうかもね。基本的にあまり生きる意欲はないし、他人の死からもあまり影響は受けていない。「ひととおり、やりたいことは全部やった」と言っている。この人にとっては、京大熊野寮の生活がいまでも続いているのだ。自分が昔、熊野寮の近所に住んでいたので、なんとなくわかるが、「時計じかけのオレンジ」に出てきそうな廃墟みたいなところだった。いる人もほとんど廃人みたいなものらしい。自分もまねができるといいな。