ウルトラセブン超兵器大研究

中村宏治(円谷プロ監修)『ウルトラセブン超兵器大研究』マイナビ、2013


最近、けっこう話題になっているこの本、64ページしかないのだが、ちゃんとつくってあって、既存の類書をコピーしただけのものではない。中でもポイントは、ウルトラホーク1号から3号、ポインター、ハイドランジャー、マグマライザー、マックス号、ステーションV3(V2)、ステーションホーク1号、2号、原子力潜水艦アーサー号、S号、の三面図(書き起こしたものではなく、プロップを撮影したもの)が出ていること。

特にウルトラホーク1号~3号は、本編撮影時の写真が一部白黒だが多く載っていて、セットやプロップの実際の大きさがわかる。ホーク2号には、本編で使用されたモデル以前に、全長の短い別バージョンのモデルがあったことや、ホーク3号として予定されていたのは当初はステーションホーク1号で、ホーク3号のデザインが作り直された結果、ステーションホークに転用されたこととか、この本ではじめて知った。極東基地内部に、一瞬だがF-4ファントムが映っていることや、ウルトラガードのデザインが、ロッキードX-27ランサーから借用されているといったことも初耳。ステーションV3とV2は天地が逆になっていることもこれで知った。

「月世界の戦慄」で出てくる月面車みたいなメカもアップに耐えるようにちゃんと作ってあるのだ。ここまでまめに資料を集めたのなら、極東基地の内部とか、敵宇宙人の宇宙船とか、いろいろ出してほしいものはいっぱいある。と思っていたら、巻末に「第2弾を今秋発売」とあった。何が出てくるかはおたのしみ。

この本、プラスチック製の「ウルトラホーク1号キット」がついている。それもアルファ号、ベータ号、ガンマ号が別々になっていて、合体させた状態で紙飛行機のように飛ばすこともできるというまさに超製品。きちんと正確に作らないと遠くには飛ばせないそうだが、これを作ってしまうかどうか、悩む。これだけを目的にしてもう1冊買ってしまうかもしれない。1290円なので、そんなに高くないし。