極限芸術 都築響一トークショー

「極限芸術 都築響一トークショー」、鞆こども園、2013.4.21


福山に「鞆の津ミュージアム」という美術館があり、そこで「死刑囚の絵」の展覧会をやっている。この展覧会のイベントとして行われたのが、この都築響一トークショー

福山というのは広島からなにげに遠く、しかも鞆は福山東インターから車で30分以上かかる(福山駅からバスに乗ってもほとんど変わらない)というけっこう行きづらい場所にある。このトークショーは18時からで、美術館が開いているのは17時までなので、16時くらいには現地に行って、展覧会を見てからトークショーを聞くつもりだったのだが、時間の計算を失敗し、現地についた時にはすでに17時をまわっていた。

しかもトークショーは場所の関係で、美術館の近所にある「子ども園」で行われた。美術館は、古い蔵を改装してできているので、トークショーのできるスペースがないのだ。早く行って、場所を確保しなければならないので展覧会は断念。トークショーだけを聞きに行くというマヌケなことになってしまった。

しかし都築響一の話はおもしろかった。刑務所の生活や、死刑囚は拘置所で何をしているのかという話からはじまって、ひとあたり死刑囚の絵について語った後、いきなり話がニャン2倶楽部に飛び、「ぴんから体操」という、エロ雑誌の中でも最下層になるこの雑誌のさらに底辺に沈殿している投稿イラストコーナーの常連投稿者の作品を紹介。これは、ウェブマガジンですでに都築氏本人が紹介していた中身を見ていたのでそんなに驚きはしなかったが、都築響一の中では、死刑囚の絵と、エロ雑誌の投稿イラストは、「何かに閉じ込められてしまった人々」という細い線でしっかりとつながっているのだ。

死刑囚の絵は、講演のあいだにもスライドで紹介されていたし、都築響一メールマガジンにも一部は既出だったので、見てはいるのだが、妙な現実感のなさと作品がかもしだす気迫はただものではない。今回は展覧会そのものを見られなかったが、遠いといっても福山なので、また見に行こうと思う。イベントはこの後も、北川フラム、茂木健一郎(これはすでに完売)、田口ランディというけっこう豪華なメンバーで開催予定。北川フラムと田口ランディのどちらかには行きたい。