モーレツ!イタリア家族

ヤマザキマリ『モーレツ!イタリア家族』、講談社、2006


ヤマザキマリのコミックエッセイ。ネタは自分の家族。基本的には姑(2人いる)の愚痴である。しかし、日本人によくある陰湿な関係は一切なく(あったらマンガにはできないと思うが)、なんでもはっきり口に出すイタリア人たちと、日本人っぽい著者のあいだのスレ違いなので、単純に笑える。

中でもおもしろかったのは、日本からイタリアを訪ねてきたかわいこぶりっ子おねえさん(日本では特にめずらしくない)が、イタリア女達から、いかに敵意をもって見られていたかという話。もちろん、こういう日本人はイタリアではモテモテなのだが(はっきり言えば、食いやすいと思われているらしい)、こういう「猛禽的」な女はイタリア女からは許すべからざる生き方らしい。まあ、ああやって男を釣るパターンは欧米では受けないだろうとは思う。

あと、実家のイタリア人達を引き連れて日本旅行をするエピソードにも笑えた。夏の盛りに10日間で8都市を回る日程は日本人でもなかなかやらないと思うが、イタリア人のエネルギーはすごいらしい。やたら日本のことを中国というのも笑える。

続編もあるようなので、そっちもたのしみ。