それではさっそくBuonappetito!

ヤマザキマリ『それではさっそくBuonappetito!』、講談社、2008

ヤマザキマリの料理コミックエッセイ。基本的にイタリアに嫁に行っているので、イタリア料理の話が多いのだが、いま住んでいるポルトガルとか、旅行に行った先のブラジルとか、いろんなところで食べまくっているので、そちらのほうの食の話題も豊富。

イタリア人に「スパゲティ・ナポリタン」を食べさせるとどう言われるか、とか、グレードの高いオリーブ油やバルサミコ酢がどういうものなのか、とか、行かないとわからないようなネタが多くていちいち感心する。日本で瓶に入れて売っている「エクストラヴァージンオリーブオイル」というのは、イタリア基準では本物の範疇には入らないらしい。小さい瓶ひとつが数万円レベルのおねだんなのだ。

その他、豪華な記念日のごちそうの後に、イタリア人がどんなに粗食に甘んじているかとか、ブラジル人が食べた分のカロリーを消費するためにどれだけ必死で運動しているかとか、身につまされる話が続出。スタイルのいい人は並でない努力をちゃんとしていたのでした。

絵柄も文章も非常に読みやすい。レシピつきなので、やる気のある人は自分で作れる。買っておいておく値打ちのある一冊。